連敗続きの習政権に新コロナウイルスの脅威

昨2019年11月24日、香港では区議会議員選挙が実施された。周知のように、同選挙では「民主派」が地滑り的勝利をおさめている。 中国共産党は、この区議会選挙でなぜか「親中派」の勝利を疑わなかった。香港の「サイレント・マジョリティ」が暴力を伴う「民主…

台湾海峡両岸の選挙結果と民主主義

最近、中央人民政府駐香港特別行政区連絡弁公室(以下、中連弁)の王志民主任が事実上、更迭された。 香港では「逃亡犯条例改正」反対デモ(「反送中」デモ)が、徐々に「民主化」デモへと転化した。2017年から、王志民は中連弁のトップを務めていたが、デモ…

台湾総統選挙と立法委員選挙結果分析

2020年1月11 日(土)、台湾では総統選挙と立法委員選挙が同時に行われ、即日開票された。選挙権を持つ人数は過去最高の約1,931万人で、投票率はおよそ74.9%と前回の投票率、約66.3%よりも大幅に上昇した。 結果は、選挙前の予想通り、民進党の蔡英文・頼…

中国企業が絡む「IR汚職事件」

昨2019年12月25日、東京地検特捜部は自民党衆院議員(東京15区)の秋元司容疑者(48歳)をIR(統合型リゾート)誘致をめぐる収賄容疑で逮捕した。現職国会議員の逮捕は、2010年1月、石川知裕衆院議員以来、約10年ぶりである。 また、同特捜部は、贈賄容疑で…

ほとんど中国に経済を依存する北朝鮮

昨2019年12月22日、ホスト国から北朝鮮労働者が“追放”された。2017年、国連安保理決議2397号は、核・ミサイル実験を繰り返す北朝鮮に対し、制裁を課した。同年11月29日、同国が大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」を試験発射したためである。 その制裁の一…

マカオ返還20周年

1999年12月20日、マカオ(澳門)がポルトガルから中国へ返還されてから、すでに20年の歳月が流れた。 今年(2019年)12月、習近平主席は、マカオでの祝賀会に臨むため、同地へ飛んだ。 同月24日、祝賀会に出席した習主席は「マカオは歴史上最も良い発展の局…

習近平政権下での焚書政策

最近、中国の一部の図書館で焚書が開始されたという。今の時代に焚書とは驚きである。時代錯誤もはなはだしい。 事の発端は、今年(2019年)10月15日、中国国家教育省基礎教育課が、各関連部署に、ある通達を出した事に始まる。 「全国小・中・高校図書館図…

元社員拘束で暴露された華為のブラックぶり

現在、中国では奇妙な数字の羅列「985、996、035、251、404」が注目されている。これは、華為技術有限公司(従業員18万人以上の大手電子機器メーカー。以下、ファーウェイ)を揶揄した数字である。 第1に、985とは、エリート大学を意味する。1998年5月、当時…

中国の「一帯一路」構想と「魯班工坊」

中国共産党は「一帯一路」構想で、米国の世界覇権に挑戦している観がある。 同構想は、表面的にはアジア・アフリカ・ヨーロッパ諸国と経済的「ウィン・ウィン」関係を目指す。しかし、その実態には大きな疑問符が付く。なぜなら、「一帯一路」に参加した国々…

中国共産党の任期制が復活か?

今年(2019年)8月22日、『人民日報』関連のSNSで、かつて鄧小平が党幹部の「終身制」廃止決定を行ったとするツイートが現れた。鄧は、将来、二度と毛沢東主席のような“独裁者”が出現しないよう考慮し、実行したのである(周知の如く、1966年~76年「文化大…

今日の香港は明日の台湾か?

中国では、1949年の建国以来、末尾に9の付く年は政治的大変動のある年と考えられてきた。歴史を振り返れば、そうとも言えよう。 今年(2019年)もやはり政治的大変動に見舞われた。中国共産党は、香港の「逃亡犯条例」改正反対運動(通称、「反送中」運動)…

自宅で縊死した京劇の名花

今年(2019年)12月5日午前10頃、京劇(北京オペラ)の名花と謳われた姜亦珊が、北京市豊台区の自宅で首吊り自殺をした。享年41歳である。姜は国家一級女優の称号を持ち、かつ、北京市政治協商会議常務委員という肩書も持っていた。 姜亦珊の突然の死に、京…

北京と香港市民の戦いは“文明の衝突”か?

今年(2019年)6月、香港では「逃亡犯条例」改正案をめぐり、大規模な改正案反対デモが起きた。香港政府がその改正案をなかなか撤回しなかったので、デモは過激化した(9月、同政府がようやく改正案を撤回)。更に、デモ隊による香港政府に対する要求がエス…

中国共産党第19期4中全会での人事

中国共産党は、約1年8ヶ月も重要会議である「4中全会」を開催できなかった。それは、習近平主席が(1)中国経済の悪化、(2)激化する「米中貿易戦争」、(3)収束しない香港問題、等で「反習近平派」に猛攻撃を受けるからである。同会議では、(4)人事問題…

香港の海に浮んだ15歳少女全裸死体

一部のメディアがすでに伝えているように、今年(2019年)9月22日、香港九龍油塘魔鬼山(Devil's Peak)沿岸に、全裸の少女の遺体が浮かんだ。香港の専門学校、知専設計学院(HKDI)に通う15歳の陳彦霖である。 同19日午後2時15分頃、陳彦霖は地下鉄の「美孚…

中国の総債務

今年(2019年)11月11日、中国の「独身の日」、ネット通販最大手のアリババのセールが過去最高を記録した、と日本メディアはこぞって報じた。これは、同国の消費が未だ旺盛である事を世界にアピールする中国共産党の“策略”だろう。日本メディアはそれに踊ら…

「香港内戦」の遠因・近因とその背景

今年(2019年)10月1日、中国の国慶節を機に、6月から始まった香港の「逃亡犯条例改正案」反対デモ(「反送中」デモ)への香港警察の対応が荒っぽくなっている。 更に、11月4日、習近平主席と林鄭月娥香港行政長官が上海で会談して以来、それが顕著になった…

盤石の構えで台湾総統選に臨む民進党

来年2020年1月11日(土)、台湾では第7回目の総統民選が行われる(第1回目は1996年で、李登輝・連戦ペアが勝利)。 与党・民進党は、今回、執権党でありながら、初めて党内予備選(世論調査で候補者を決定)を行った。2004年の総統選挙時、陳水扁総統が再選…

香港に隣接する広東省茂名市騒乱事件

今年(2019年)11月24日、香港で区議会選挙が実施され「民主派」が圧勝した。だが、「親中派」惨敗の選挙結果にもかかわらず、香港政府は依然、香港市民に対し耳を貸そうとはしない。 そのため、選挙後、初めての週末、約38万人(主催者発表)のデモ集会が行…

豪州へ亡命した中国人スパイ

今年(2019年)11月26日付『ワシントン・ポスト』紙によれば、ここ1週間ほどで、習近平主席は3つの悪いニュースに接したと指摘している。 第1に、11月16日付『ニューヨーク・タイムズ』紙が、新疆・ウイグル自治区の収容所(再教育キャンプ)に関する詳細な…

香港区議会選挙で圧勝した「民主派」

今年(2019年)11月24日(日)、香港区議会選挙が行われた(投票時間は朝7時30分から22時30分まで)。今後、香港の行方を占う重要な選挙として、世界から注目を浴びた。なお、同選挙は、小選挙区制で452議席が争われている(無投票選出議員<新界郷事委員会主席…